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南足柄市塚原の歯医者、武尾歯科のブログページです。
保険診療でよく使用される銀歯(金属充填物)は、その耐久性と経済性から広く普及している治療法です。しかし、この一般的な治療法にも注意が必要な点があります。
口腔内環境では、唾液や食事による化学反応により、わずかながら金属イオンが放出される可能性があります。これが体内に蓄積されると、人によってはアレルギー反応を引き起こすことがあります。
症状としては、手のひらや足裏に水疱や炎症が現れたり、体の様々な部分に湿疹が発生したりすることがあります。これらの症状は原因が特定しづらく、慢性化することもあるため、原因不明の皮膚トラブルがある場合は、歯科金属が原因である可能性も考慮する必要があります。
近年の歯科治療では、金属アレルギーへの対応として、保険診療での選択肢が大きく広がっています。2023年12月の診療報酬改定では、PEEK冠がすべての奥歯で保険適用となり、さらに2024年6月の改定では、CAD/CAM冠の保険適用範囲が拡大されました。
具体的には、一定の条件を満たせば、第二大臼歯(7番)や第三大臼歯(親知らず)にも保険適用でCAD/CAM冠を使用できるようになりました。これは、反対側の上下の歯がしっかり噛み合っているなど、適切な咬合状態が確保されている場合に適用されます。なお、金属アレルギーの方については、これらの条件に関わらず、より柔軟な適用が認められています。
その他にも、樹脂系材料による治療や、自由診療となるセラミック修復など、患者様の状況に応じた様々な選択肢があります。樹脂系材料は天然歯に近い色合いで金属を含まない安全な選択肢として、またセラミックは見た目の美しさと耐久性を兼ね備えた高品質な治療法として、それぞれ特徴があります。
金属アレルギーの有無は、医療機関でのパッチテストによって確認できます。不安な方は、まず検査を受けることをお勧めします。
治療法の選択には、費用や治療期間、患者様の生活スタイルなど、様々な要因を考慮する必要があります。保険適用の範囲や条件は、患者様の口腔内の状態によって異なりますので、詳しい説明や個々の状況に応じたアドバイスは、当院での検査・相談をお勧めします。