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美顔器をあてていたら歯がぴりぴりした、使ったあとからずっと歯がじんじんしている——そんな経験はありませんか。「気のせいかな」「しばらくしたら治るだろう」と思いながらも、なんとなく気になってそのままにしている方が意外と多くいらっしゃいます。
最近はEMS美顔器や超音波美顔器が広く普及し、自宅で毎日使っている方も増えました。そういった背景もあってか、当院でも「美顔器を使ってから歯が気になるようになった」というご相談をいただくことがあります。歯科と美容機器、一見関係がなさそうに思えますが、実はこれには明確なメカニズムがあります。

美顔器の多くは、微弱電流(EMS)・超音波・振動などの技術を使って顔の筋肉や皮膚に働きかけます。こうした刺激は皮膚の表面だけにとどまらず、顔の組織を通じて深部にまで伝わることがあります。顎の骨や歯根の周囲まで刺激が届くケースも珍しくなく、特に歯の神経(歯髄)が敏感な状態になっているときや、根の先端に炎症がある場合は、強い反応が出やすくなります。
健康な歯であれば一時的な刺激で終わることが多いですが、過去に神経の治療をしたことがある歯、歯根に病変がある歯、微細なひびが入りかけている歯がある場合は注意が必要です。そういった歯に外部からの刺激が加わると、それまで静かだった炎症が急に動き出すことがあります。また、神経がまだ生きている歯でも、虫歯や歯ぎしりによってすでに歯髄が弱っている場合は、美顔器の刺激がきっかけで歯髄炎に進行することもあります。

ぴりぴりした感覚が数時間で引いた場合、「大丈夫だった」と判断してしまいがちです。ただ、歯の神経や根の周囲の組織は、一度ダメージを受けると時間をおいてから症状が出てくることがあります。最初は軽い違和感だったものが、数日後・数週間後に急な痛みや腫れとして現れるケースもあります。
美顔器の使用中または使用後に特定の歯がぴりぴり・じんじんする、噛むと違和感や痛みがある、冷たいものや熱いものがしみる、歯茎が腫れたり膿が出る感じがある、歯が浮いているように感じる——こういった変化が一度でも出た場合は、早めに診せていただくことをおすすめします。
「美顔器が原因かどうかよくわからない」という段階でも構いません。まずレントゲン撮影と視診・触診を行い、歯の神経の状態、根の先端の炎症の有無、ひびや破折がないかなどを総合的に確認します。必要に応じてCT撮影を行うこともあります。診査の結果をもとに、現在の状態と治療の選択肢をわかりやすくご説明します。すぐに治療が必要なケースもあれば、経過観察で十分な場合もあります。いずれにしても、まず現状をきちんと把握することが大切です。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。